家計消費データを確認:日本のエンゲル係数は30%に迫る!【家計調査】

私たちが年間でどれくらいお金を使い、食料品や家賃、医療が占める割合がどのくらいか。こうした家計簿の情報は、我々の日常生活や社会情勢を反映する重要なデータです。例えばエンゲル係数(食費にかける割合)は、生活水準や家計の余裕度に関連しており、その動きから生活環境の変化を読み取ることができます。これら家計消費について、実際にデータを見て、考えて、解釈してみましょう!

この記事では、総務省が公開する【家計調査(家計統計)】データを見ながら、日本人の消費支出について確認します!

Question → Answer】
  • Q:年間消費支出は、二人以上世帯と単身世帯でそれぞれ何万円?
    • 二人以上世帯:360万円 (月30万円)
    • 単身世帯:203万円 (月17万円)
  • Q:二人以上世帯と単身世帯、エンゲル係数が高いのはどっち?
    • 二人以上世帯の方が大きい。
    • 二人以上世帯:28.3% 単身世帯:25.9%

※データは 家計調査[2024年]より。

目次

消費支出の推移

私たちは一人で、あるいは家族や友人と集まって生活をおくります。このように「住居と生計を一緒にして生活する集団」のことを、世帯と呼びます。

世帯ごとの収入・支出を「家計」や「生計」と呼びます。日本は毎月、家計調査でこのデータを集めています!

支出はさらに、「消費支出」と「非消費支出」に分けられます。非消費支出は、例えば税金や社会保険料など、私たちが必ず払わなければならない、自由に使えないお金のことです。

用語チェック
  • 世帯:住居と家計を一緒にして生活する集団のこと
    • 二人以上世帯:二人以上で生活する世帯
    • 単身世帯:一人で生活する世帯
  • 支出:使ったお金のこと
    • 消費支出:生活を送る中で、自由に使ったお金
    • 非消費支出:税金や社会保険料・借金返済など、必ず払わなければいけない・自由に使えないお金

消費支出は「自由に使ったお金」のことなので、消費支出が大きいほど生活が豊かとも考えられますね。

年間消費支出のデータを、時系列で確認してみましょう!

2024年は、二人以上世帯が 360万円 、単身世帯が 203万円 の消費支出でした1。2020年以降はインフレの影響もあり、消費支出額は上昇傾向なのが確認できます。

一人当たりの消費支出を計算してみれば、単身世帯の方が多く消費を行っていることがわかります。どうやら、二人以上の世帯では、複数人で生活することによって余分な支出を減らしているようです。逆に考えてみると、単身世帯の方が一人あたりの使える金額は大きいとも言えますね。また、住宅ローン返済などの支払いが二人以上世帯では大きくなってしまい、一人あたり消費支出に回せるお金が小さくなっていると予想できます。

消費支出の内訳:十大費目それぞれ

消費支出は、十個の項目に大きく分けることができます。この分類のことを十大費目と呼びます。

用語チェック
  • 十大費目:消費支出を十項目に分類したもの
    • 「食料」「住居」「光熱・水道」「家具・家事用品」「被服および履物」「保健医療」「交通・通信」「教育」「教養娯楽」「その他」の十項目
    • 「その他」には、例えば「理美容用品」や「たばこ」が含まれる
    • 「住居」には、住宅ローン返済費用は含まれないため注意

十大費目それぞれの支出推移と、二人以上世帯・単身世帯で違う点について確認してみます!

時系列推移

二人以上世帯・単身世帯それぞれ、十大費目の支出額推移は以下の通りです。※数値は一か月ごとの平均支出額です。年間合計値ではないので注意してください。

ほとんどの費目が、2020年⇒2024年で支出額が増えていますね。

どの費目も、二人以上世帯・単身世帯で似たような推移を描いています。ただし「住居費」「光熱・水道費」の推移は、二人上世帯が横ばいに対し、単身世帯では上昇傾向のようです。

十大費目への支出割合 [2024年]:二人以上世帯と単身世帯を比べてみよう!

二人以上世帯と単身世帯、それぞれの十大費目の支出比率を数表でまとめます! 数字を比較してみましょう!

十大費目二人以上世帯単身世帯
食料28%26%
住居6%14%
光熱・水道8%8%
家具・家事用品4%3%
被服および履物3%3%
保健医療5%5%
交通・通信14%12%
教育4%0%
教養娯楽10%12%
その他18%18%

「住居費」「教育費」に大きな差がありますね!

二人以上世帯は持ち家世帯が多いと考えられるので、その分だけ住居費が小さいと予想されます(※住宅ローン返済は「住居費」に含まれません)。また、賃貸生活だとしても、二人以上が一つ屋根の下で生活するのであれば、単身世帯よりも一人あたり住居費が少なくなるのは納得できます!

「教育費」は子供の授業料等にかかる費用ですので、単身世帯の教育費が0%なのは当然の結果です。

単身世帯は二人以上世帯と比較して、「教育費」がかからないので、その分は「住宅費」や「教養娯楽費」にあてていると考えられます。一方、二人以上世帯は子育て世帯も多く含まれますので、「教養娯楽」にあてられる費用が少なくなり、その分は「教育費」や「家具・家事用品」にあてられていると予想できます。

円グラフで表してみよう! 消費支出の内訳 [2024年]

エンゲル係数の推移

消費支出のうち、食糧費が占める割合のことを エンゲル係数 と呼びます。エンゲル係数は、所得水準が高くなるほど小さくなる傾向が確認されています。(エンゲルの法則2

用語チェック
  • エンゲル係数:消費支出のうち、食糧費が占める割合のこと。

「食料費」は他の消費支出と比べて減らしにくい項目ですから、エンゲル係数が高いほど「生活が苦しい」「貧困である」などの解釈ができそうですね3

実際にエンゲル係数の推移を確認してみましょう!

全体的に、エンゲル係数は上昇傾向です! 2024年データでは、二人以上世帯のエンゲル係数が 28.3% 、単身世帯のエンゲル係数が 25.9% でした。

2015年頃までは、二人以上世帯・単身世帯どちらも似たようなエンゲル係数でした。しかし2016年からは、二人以上世帯の方が単身世帯よりもエンゲル係数が高くなる傾向が見えます。しかも、その差は年々大きくなっているようです!

単身世帯は食事量や買い方を調整しやすい一方で、二人以上世帯は人数が多いので、家族全体の食費を減らしにくいのかもしれません。食料品の価格が上昇する中で、二人以上世帯の方がインフレの影響を受けやすく、結果としてエンゲル係数が上がっていると予想できます。

家計の支出なら【家計調査(家計統計)】を確認しよう!

日本の家計における支出の実態は、総務省の統計データ【家計調査(家計統計)】で確認できます。

家計調査は、全国の世帯を対象に、日々の収入や支出、購入した品目などを継続的に調べている統計です。日本の暮らしや消費の実態を把握できる代表的なデータであり、基幹統計の一つでもあります。

家計の支出といっても、「食料にどれくらい使われているのか」「光熱・水道費は増えているのか」「特定の商品への支出はどの程度なのか」など、知りたい内容はさまざまです。家計調査では、そうした日常の支出を細かく確認できるため、生活者の消費行動を具体的に捉えられます。

家計調査には、支出を目的別に整理した【用途分類】と、購入したモノやサービスごとに整理した【品目分類】があります。今回は【用途分類】を利用しました。

家計の支出内容を詳しく知りたいなら、家計調査(家計統計)を活用しましょう!

  1. 家計統計より。二人以上世帯の時系列データは「長期時系列表」から取得しています。単身世帯のデータは、それぞれの年の数表を集計しています。 ↩︎
  2. ザクセン王国統計局長であった C. L. E. エンゲルが、1857年に著した「ザクセン王国の生産および消費事情」においてはじめてこの傾向を指摘した。〈『公的統計による統計入門』(西郷 浩)116p より引用〉 ↩︎
  3. 必ずしもエンゲル係数の高さが生活の苦しさを表すわけではないので、注意が必要です(Wikipedia「エンゲル係数」)。例えば、日本人が「外食」にかけるお金は年々増えていますから、生活が苦しくなったのではなく、炊事にかけていた時間を外食で済ませる「時間の節約」に対して、お金を払っているのだとも解釈できそうです。 ↩︎
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